一隅を照らす

皆様はよく会社の社是や座右の銘といった類の中で『一燈照隅』という漢字を見たことがありませんか?


あーーーあるあるーー!

なんて読むかわからなかったー!意味がわからなかったー!


そういう自分自身のフォルダーに入っている単語やKWってありますよね??


これは、安岡正篤氏の言葉であり、彼自身の己の行としてこの一事を呼びかけ続けて広まった言葉です。


この言葉の由来となった2つの古事があります。

1.唐の湛然(たんねん)の著「止観輔行伝弘決(しかんぶぎょうでんぐけつ)」にある次の話


むかし、魏王が言った。「私の国には直径一寸の玉が十枚あって、事の前後を照らす。これが国の宝だ。」すると、斉王が答えた。「私の国にはそんな玉はない。だが、それぞれの一隅をしっかり守っている人材がいる。それぞれが自分の守る一隅を照らせば、車の前後どころか、千里を照らす。これこそ国の宝だ。」と。


2.上の話を踏まえて伝教大師最澄が「天台法華宗年分学生式」の中に書いた言葉


「古人言く(いわく)、径寸十枚、これ国宝に非ず。一隅を照す、これ則ち国宝なり、と」



2つの古事を基に、安岡正篤氏がいつもおっしゃられてた内容がこちらです。


「その立場立場においてなくてはならぬ人になる、一隅を照らすとはそのことである。

国も社会も会社も自分の外側にあるもの、向こう側にあるもの、と人はともすれば考えがちであるが、そうではなく、そこに所属する一人ひとりの意識が国の品格を決め、社会の雰囲気を決め、社風を決定する。 一人ひとりが国であり、社会であり、会社なのである。


この一燈が萬燈になると『萬燈遍照』になる。こういう同志が十万、百万となれば、優に日本の環境も変わりましょう。」


一燈照隅・萬燈遍照

このたった八文字にこめられた、ただならぬ深く豊かな内容と、格調の高さに現在においても万人が魅了されることに到ったように思います。


改めてですが…安岡正篤氏とは…さらっと書きましたが、とてつもなく偉大な日本を代表する偉人であるということは皆様ご存知ですよね?

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