人あれば道あり
されど
道は自らが求めて拓(ひら)くものとの
我が先人の教えを道標(しるべ)となし
ひたすらに歩み来れり
而(しか)して 又 歩みつづけむ
汗なし 汗なし 道を拓け
流れ落つる汗の玉の光こそが
健やかに働ける喜びと感謝の心の輝きと知れと訓(さと)されし
我が先人の言を
今日も耳に新しく聞きて歩を進めむ
近江商人の商いに対する姿勢や生き方をまとめた『末廣正統苑』からの一部抜粋です。
たねやに脈々と続く、商いのバイブル本。
私ごときがご紹介するなど、とてもおこがましいのですが、あまりに深い言葉の数々に尊敬の意をこめて一部記載いたします。備忘録もかねて…
【上記の解説:たねやCEO 山本徳次氏】
商いというものは、儲けないと成り立っていかんということは当たり前のことだが、いつも順風満帆というわけにはいかない。逆風もあれば思わぬ障害もあり、また、商いにはいつも誘惑が潜んでいる。商いの道は人の道であるということがどれほど大切なことか、よく肝に銘じておくことが必要であり、様々な決断は急ぎすぎても遅すぎてもダメだが、積極的な戦略としての企業の姿勢と、人の道を踏み外さないという企業倫理の両輪がうまくかみあわさないと企業というものは発展しない。
天秤棒を肩にかついだ近江商人はとにかく全国津々浦々を歩き回り、一日30kmほどを毎日歩き続けていたという記録がある。歩きながら物事を考える商人だったということ。
それは、汗をかいて働ける喜びと感謝を何よりも見出していた商人団であり、物を売るためだけに歩いたのではなく、いわゆる自分の足で現地を歩き、人に会い情報収集と人脈を築いていったということ。つまり、現場主義。汗をかく現場にあらゆる答えは落ちているのであり、机の前に座って頭脳を優先しがちな現代に警鐘をならしているようにもみえる。
人間の存在というものはとても複雑で、身体や心、すべてが総合的にできているように思う。物事は頭だけで考えるのではなく、身体全体で考えるという感覚が一番近いように思う。
他国に行商するも総て我事とは思わず
其の国一切の人を大切にして
私利を貪(むさぼ)る勿れ
神仏のことは常に忘れざるように致すべし
有名な近江商人の行商心得に
『先義後利』とか『売り手よし・買い手よし・世間よし』
という言葉があるが、その真髄ともいえるのが、上記の行商心得。
一過性の商いをもっとも嫌う近江商人は、常に謙虚に頭を下げることを忘れなかった。
自分さえよければそれでよいという発想のもたない近江商人の行商行動は、
『陰徳善事』に繋がって発展していったのだ。これらは現代にも通じる商いの道である。
【正直・感謝・努力・倹約・親切・人知れず徳行を積む(積徳)】
つまりは、近江商人たちは、商いよりも先に人間性を養い、実践していくことを重要視した。
他人の喜びがそのまま自らの喜びにもなる…そんな人の道こそが商いの道ではないか。
…まだまだご紹介したい数々の玉石の言葉がつまった『末廣正統苑』
つまりは。すべて【道】なんですね (;´∀`)
天秤棒を担いだ近江商人
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