ユーラシアの各地からやって来た私たちの祖先は、互いの文化を共有しあいました。
1500年前に仏教が伝来した時にも、仏教の深い生きる智慧を積極的に学ぼうとしました。
あらゆる自然の中に神々が宿る、という神道の教えの中に取り入れて、「悉皆仏性」と説き、日本の心と融合し、神仏習合が広がっていきました。
寺の中に神が、社の中に仏が、家庭の中に神棚と仏壇がごく自然に祀られるという、世界でも稀なる調和のとれた国となったのです。私たち日本人の精神性の高さの結果のように思います。
全国各地いたるところに設置されて、一般的に「お地蔵さん」と親しみをこめて呼ばれる「地蔵菩薩」は、この世で一人残らず救うまでは、最高の位である如来にはならないと誓われており、慈悲の神様として広く人々から敬慕されました。
慈悲の、慈とは厳しい愛情、悲は優しい愛情といわれています。
優しい愛情だけでは、火の中の子供を救うことはできません。時には、火をも恐れぬ厳しい愛情が必要となるのです。
人はなかなか愚かですから、いくら諭しても過ちを繰り返し、とうとう地獄の一丁目まで来たときに「あれほど言ったのに!」と形相を変えて説教しているのが閻魔大王さまです。
両者は慈と悲を形に表した、同一仏と言われています。
「己を忘れ他を利する、これ慈悲の心なり」と言われた伝教大師のお言葉は「利他の精神」としてよく、社是や経営理念などで経営者の方々が信条としていることが多いですが、世知辛い今の世の中にもっともっと深くみんなの心の中に広がっていかなくてはならないですよね。
自分がイイオモイをしたい、まして、自分だけがイイオモイができれば他の人はどうでもいい、などの次元の低い心には響かないかもしれませんが、この「他のために」は、実は一番大事な、自分の内なる魂を磨いていることになるのです。
ワタクシがインナービューティーupを目指す所以であり、根幹はここにあります。
「本(もと)を忘れず、末(すえ)を乱さず」ですから(^^♪
高野山の奥之院の浄窟にいらっしゃる弘法大師様の教えの中にも、慈悲の心をもてとあります。
つまり、三蜜修行ともいわれる、日々笑顔で暮らし、優しい言葉を掛け合い、優しい心をもって人と接していくということです。
ちなみに真言宗の実践修行の教えとしての「六波羅蜜」も弘法大師様の大切な教えなので、実家婚家ともに真言宗である私自身の備忘録としてもここに記させていただきます。
布施(ふせ)…社会や人のためになることをする
持戒(じかい)…ルールを守り、規則正しい生活を送る
忍辱(にんにく)…つらいことにも笑顔を絶やさない
精進(しょうじん)…たゆまず、歩み続ける
禅定(ぜんじょう)…心を静めて、平常心を忘れない
智慧(ちえ)…真実を知るための「知性」を育てる
皆様の人生指針になれば幸甚です(*^^)v
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