虐待疾患児 脳にダメージ(:_;) 褒めても響かぬ

5月5日は子供の日でした。 最近は減りましたが、庭やベランダから青い空にたなびく鯉のぼりを見かける季節です。 鯉のぼりの横に息子の名前を書いた幟もはためくことも。


娘しかいない我が家には、鯉のぼりはありませんが、あの鯉のぼりを見ると…まさに子の成長を願う親の愛のシンボルのような気がします。


弘法大師様の「廻乾就湿(かいかんじしつ)」という教えがあります。

常に子供には快適な環境を与えようと願う、という意味です。


うたた寝をしてしまった子供に、掛けるものがなかったときとっさに自分の着ている服を脱ぎかけてやる。

暑い夏、汗だくの子供の顔にずっとうちわであおいでやる・・・


そういう無意識にしてしまう行動って、駆け引きや損得とかが入らない、いわゆる「アガペーの愛」だし、当たり前だと思っていました。


でも、益々増加する子供への虐待問題。


昨年の新聞記事(2015年10月24日読売)ですが、かなりショックな研究結果がありました。


「虐待など親から不適切な養育を受けて反応性愛着障害(RAD)になった子供の脳は、そうでない子供に比べて視覚的な感情処理に関わる部位が小さい傾向があることが福井大の友田明美教授(小児発達学)らの研究で明らかになった。

やる気や意欲などに関わる部位の活動が低下していることも判明。褒められても心に響きにくいと考えられ、被虐待児に一般的に施される「成果を褒める」などの心理療法の効果が少ない可能性も出てきた。

  RADは、子供時代に養育者から受けた体罰や暴言によって養育者への愛着がうまく形成されずに発症する精神疾患の一種。衝動や怒りのコントロールが難しいなどの症状がある。

 研究グループは、10〜17歳のRADの21人とそうでない22人の脳の断面を磁気共鳴画像化装置(MRI)で撮影。形態や働きを比べたところ、RADの子供は「視覚野」の灰白質(脳神経細胞が集まる領域)の容積が2割ほど少なかった。この部位はダメージを受けると他人の表情から感情を読み取りにくくなるといい、虐待などが脳に影響を与え、症状につながっている実態が分かった。

 また、10〜15歳のRADの子供16人とそうでない20人に金銭報酬を得られるゲームをしてもらい、脳の活動を調べたところ、やる気や意欲などに関わる「線条体」の活動量の平均が、RADの子供はそうでない子供の半分以下だった。

 こうした結果から、RADの子供は「報酬」へのモチベーションが低いとみられ、一般的な治療とは別の方法が必要な可能性が高まったという。友田明美教授は「心理療法に加え、薬の投与や環境整備など多様な治療が重要になる」と話している。

 山梨県立大学 西沢哲教授(臨床心理学)は「子供に寄り添うなど人間関係への安心感を抱かせる作業から必要である」と述べている。

この研究成果の論文は英精神医学誌(電子版)に掲載された。」


虐待を受けたから、脳にダメージがあるから、というのは言い訳にはなりませんが、常識を超える犯罪が増えているのは、こういう人達が犯人である可能性もありますよね。


きっと。間違いなく。

子供の頃に、鯉のぼりをはためかせてもらってなかったんですよね(:_;)


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