高齢者の特徴を考慮して必要な栄養を分析する【老年栄養学】が注目を集めています。
自身の体に応じた必要な栄養素を十分とることが、健康維持に大きな役割を果たすことが分かってきたからです。
そう。 一般的にカラダにいいものの食材情報は溢れていますが、
口に入れる前の栄養価/量 と
体内に吸収される栄養価/量とそして、その人の体年齢の吸収量と必要量は
みんなバラバラなのに、ひとくくりにしてコレを食べたら体にいい!と表現している【入り口発想】にもはや限界があると思います。(^_-)-☆
例えば、ビタミン豊富な野菜の王様、ほうれん草にしても、栄養成分としてはカロテン5400µgですが、5歳の子供と70歳の老人が同じ量を食べたとしても、吸収率が違うので体内での変換栄養価は違ってきます。
また、栄養管理といえば、中高年のメタボ対策が思い浮かびますが、高齢者の生活習慣病の食事指導は少し違います。たとえば、
腎臓病のある高齢者が若い人と同じようにタンパク質を制限すると、腎臓病が悪化する前に、筋肉がおちて要介護に陥りやすいので、重度の腎臓病患者以外は過度な制限はしない。とか、
高血圧の高齢者は塩分を控えた方が良いけれど、薄味にしすぎてご飯がおいしくなくなり、食欲が落ちるようであれば多少味が濃くても、食べることを優先する…など。
今までの思い込みを覆すような新事実が続々と発表されています(^^)/
国内の75歳以上の高齢者が介護が必要になる要因を分析すると、栄養不足で身体が衰える『虚弱(フレイル)』が5割を超え、脳卒中などの生活習慣病の3割より多かったそうです。
東京大学老年病科教授の秋下雅弘氏は「健康によいと思って中高年と同じような食事制限をすると、栄養不足に陥り、かえって問題が起きることも多い。」と現状を話しておられました。
虚弱を防ぐには、筋肉を保つためのタンパク質を十分摂取することが大切☆
年をとると体重が変わらなくても筋肉が脂肪に置き換わっていき、タンパク質を有効に取り込む能力も衰えます。
健康な成人が1日に必要な最低限のタンパク質は、体重1kgあたり0.9gですが、70歳以上だと1gと若干増え、活動的な高齢者では、1.2~1.5g必要になります。 タンパク質の中でも、肉・魚・乳製品などの動物性タンパク質がいいそうで…
あわせて筋力トレーニングを行うと、高齢者でも筋力・筋肉量共に増強できるそうです。
もちろん、ビタミンやミネラルの摂取も若い時以上に大切になるので野菜もたっぷり食べる必要があり、
秋下氏は「年をとったら粗食がいい、と考えている高齢者はまだ多いが、栄養をきちんととることが介護予防につながることを知ってほしい。」と話されています。
…そうなんだぁーーと妙に納得できる【老年栄養学】
中高年のモノサシで年寄りから食べ物を取り上げたらダメってことなんですね。
確かに、食欲落ちたら体力もなくなり介護にまっしぐらっていうのだけは…わかる(>_<)
【老年栄養学:参考値】
●高齢者(70歳以上)が1日に必要なタンパク質
体重 健康な高齢者 日常的に運動している高齢者
40kg 40g 48~60g
50kg 50g 60~75g
60kg 60g 72~90g
●50gのタンパク質を摂取するのに必要な食品の目安
*牛ヒレ肉赤身(輸入) 244g
*豚モモ肉赤身 226g
*鶏むね肉(皮なし) 205g
*サケ切り身 224g
●ビタミン・ミネラルを多く含む食品の例
ビタミンB12 イワシ・さんま・牛レバー・カキ・アサリ・卵・チーズ
ビタミンC ミカン・イチゴ・ブロッコリー
ビタミンD イワシ・サケ・卵黄・キノコ類
ビタミンE 植物油・ゴマ・アーモンド
葉酸 ほうれん草・アスパラガス・納豆・イチゴ
カルシウム 牛乳・乳製品・小魚
マグネシウム 玄米・納豆・ほうれん草
鉄 赤身の肉・魚・レバー
亜鉛 カキ・牛肉・煮干し・ゴマ・チーズ
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