友人もお志事仲間もほとんどが経営者。
みんな一国一城の殿として激動の時代を一生懸命頑張っています。
彼らと日々切磋琢磨させていただいていることに心からの感謝と、尊敬の念を抱かずにはいられません。
その中に、一流の経営者であり、ボランティアで少年野球の監督をされている方がいらっしゃいます。
球技に限らずスポーツの結果は、すべて監督次第だと言われます。(もちろん選手の身体能力の高さも必要ではありますが) 一流の指導者に出会えるご縁も実力のうちになるのでしょうね。
その社長兼野球監督はいつもさらっとお話されますが、実は大変深い内容で、本当に学ばせていただけるのですが、それは少年野球の話だけにとどまらず、つまり、「人財育成」=「人を育てる」ことの究極と同じなんです。
甲子園経験者のコーチ達がつい野球の技術を教えようとするのを制しておっしゃるのが
「小学生に野球の技術を教えるのが少年野球じゃない。そんなものは後!まずは、心を整えることの大切さを教えろ!」
靴ひもがほどけたまま練習している子がいて、見ると、その子のカバンは開けっ放しでぐちゃぐちゃ。一人だけきちんと並べて置けてない…
その状態を指摘して、みんなに諭すんです。
「いいか。身だしなみも整理整頓もきっちりとやれ。心に隙を作るな! 隙があるやつは絶対に(試合にも)勝てないぞ!」
他県に、小学生で170cmぐらいの身長&強打者を3人ぐらい保有する最強チームがあるそうで。スター選手がいるにも関わらず、どうしても最後まで勝ち残れない…
なぜだ?とそのチームのベンチを見たら… カバンも道具もぐちゃぐちゃで整理整頓はおろか、ずぼらな雰囲気が漂っていたらしいです。
技術を教えるのが勝負に勝つのではないということ、根底の心を整えることの重要性を監督が認識できてないことが最大の不幸だと思いました。
これって、少年野球に限らず。
家庭においては、親の役目であり、会社においては、経営者や上司の役目。
上に立つものの意識の高さ/低さが、指導を受けるものの幸/不幸に直結するということ。
もし、わが子なり、部下が、「うざい」とか「個人主義ですから」などと指導者のいうことを聞こうとしない態度をとろうとも
「上に立つもの・人生の先輩としての役目」として、善悪のものさしはきっちりと言わなくてはならないんだと思います。
そして。もう一つ。
心と相対するようで、直結するものが「頭脳」。
コンピュータ工学研究所の最高峰といわれるカーネギーメロン大学のロボティクス研究所所長であり、ロボット工学の世界的権威と仰がれる金出武雄氏の言葉で
「世界中の超優秀な学生を見ていて断言できるのは、それ相応の知識量(インプット)があって初めて研究(アウトプット)が出てくる。日本では詰め込み教育はよくないというけれど、頭の中に何もなければ考える材料を引き出すことはできない。」
これは、研究成果という知識の集大成に限らず、善悪の基準としても、同じことがいえると思います。
つまり、子どもの時に、していいことと悪いこと、すべきこととしてはいけないこと、この善悪の判断基準になるものさしを刻みつけることができるかどうか、心に隙を与えないように訓練できるかどうかが…とても大事なんですよね。
連日の報道記事を見るにつけ、かつての一野球少年だった元スーパースターの心の根が育っていなかったこと、心の隙を作らせないような素晴らしい指導者に出会えなかった不幸を他山の石として教訓に代えさせていただきます…
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